妊娠前・妊娠中に気を付けたい食生活

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妊娠前・妊娠中に気を付けたい食生活

妊娠前・妊娠中に気を付けたい食生活

今回は【妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針】、【気を付けていただきたい食材】についてです。はじめに、厚生労働省より妊産婦の食生活指針として掲げられている10のポイントをご紹介します。

【妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針】~妊娠前から健康なからだづくりを~

お母さんと赤ちゃんの健やかな毎日のための10のポイント

  • 妊娠前から、バランスのよい食事をとりましょう。
  • 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと。
  • 不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと。
  • 「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に。
  • 乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に。
  • 妊娠中の体重増加はお母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に。
  • 母乳育児も、バランスの良い食生活のなかで。
  • 無理なくからだを動かしましょう。
  • たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう。
  • お母さんと赤ちゃんのからだと心のゆとりは、周囲のあたたかいサポートから。

                        厚生労働省 令和3年3月

現代、若い女性では、「やせ」の割合が高く、エネルギーや栄養素の摂取不足が心配されています。上記の10のポイントをおさえて、ぜひ、妊娠前から自分の食生活を見直し、しっかりとバランスの良い食事を摂ることを意識することが大切になります。バランスの良い食事とは具体的にどのような食事でしょうか。

1食分のバランスの良い食事の目安として、主食・主菜・副菜のそろった食事があります。1日にこの主食・主菜・副菜の揃った食事が2食以上の場合がそれ未満と比べて栄養素摂取量が適正になることが報告されています。

『主食』・・・炭水化物の供給源であるごはん、パン、麺類などを主材料とする料理

『主菜』・・・主要なたんぱく質の供給源の肉、魚、卵、大豆および大豆製品などを主材料とする料理

『副菜』・・・各種ビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となる野菜、いも、豆類(大豆を

       除く)、きのこ、海藻を主材料とする料理

妊娠中の適正な体重増加は健康な赤ちゃんの出産のために必要です。不足してしまうと、早産やSGAのリスクが高まってしまうので自身の適正な体重増加量を把握して食事を摂り、無理なくからだを動かすことを心掛けることが大切です。

また、上記の10のポイント以外に、妊娠中に必要な栄養素として、葉酸が広く認知されています。妊娠中に赤ちゃんの身体を作るためには血液がたくさん必要になるのですが、葉酸は赤ちゃんの細胞や血液をつくる大切な栄養素です。胎児の成長のために重要な栄養素なので積極的な摂取が必要です。妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸とビタミンをしっかり摂ることで赤ちゃんの神経管閉鎖障害(先天性異常)の予防につながります。

【葉酸摂取の効果】

・胎児の神経管閉鎖障害のリスク軽減

・胎児、乳児の成長を促す。

・妊娠中の方の貧血予防

先天性異常のなかには口腔に関わるものもあって、口唇裂、口蓋裂、癒合歯、癒着歯などがあります。口唇裂や口蓋裂は500人に1人、癒合歯は100人に2~3人と比較的多いと言われています。これらは、遺伝によるものもありますが、原因不明のものが多く、母体のストレス、栄養障害、環境的要因も原因の一つに挙げられています。マウスでの実験ですが、環境要因として、低酸素環境で口唇裂が誘発されることが明らかになっていることから、睡眠時無呼吸症候群や喫煙はリスクになる可能性があるため、治療、改善が必要です。他にも、胎児の顔面を中心とする先天性異常の原因としてアルコールがあります。胎児性アルコール症候群といい、妊婦のアルコール摂取によるものです。たとえ少量の飲酒でもリスクがあることから禁酒が必要といわれています。

【妊娠中制限すべき食品】

・お酒・たばこ

・水銀を多く含む大型魚(マグロ、カジキ、クジラなど)

・リステリア食中毒の主な原因食品(ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモン)

・生もの

・カフェイン(摂りすぎなければ問題ない)

・どんな食材も食べ「すぎ」ない

妊娠を希望される女性の方は妊娠前から積極的に必要な栄養素を摂取し食生活を整えること、また、妊娠中は必要な栄養素も多いですが、制限すべき食品も多いので気を付けましょう。

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