2026/02/13
親知らずは無理して抜かなくてもいい?!
洗口剤は実は歯科医院でもけっこう使われています。
うがいによるメリットは患者さん側にも、治療者側にもあります。
口の中には大量の細菌が含まれており、むし歯や歯周病の患者さんであればなおさらです。
患者さんの口の中の細菌をあらかじめ減らしておくことは、むし歯や歯周病の治療をよりよい環境で行うことにつながり、治療の促進にもなります。
治療者側にとっては、細菌の含まれた飛沫を浴びるリスクが低くなる、というメリットがあります。むし歯の治療で歯を削ったり、歯周病の治療で歯周組織の清掃をしたりする際には治療器具から水が出ます。歯科衛生士はバキュームでこの水を吸い取っていますが、完全ではありません。水の中に含まれる飛沫が口の中や一部、外に飛び散る可能性があります。そこで、うがい薬によって飛沫中の細菌量を抑えようというわけです。
鶴見大学歯学部歯周病学講座の五味一博歯科医師の研究によれば、これら洗口剤のプラーク抑制効果、歯肉炎の抑制効果が確認されています。
実は洗口剤は若い方だけではなく、高齢者にもおすすめできます。口の中の細菌を唾液と一緒に誤嚥してしまうことにより発症する誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因の一つとして注目されています。高齢になると十分な歯磨きができなくなってくるので、簡単に使える洗口剤で口の中の細菌を減らすことが誤嚥性肺炎の予防につながります。
歯科医師の間では、このような理由から今後さらに洗口剤のニーズが高まってくることが予想されています。
ただし、洗口剤に頼りすぎてはいけません。前出の五味歯科医師の研究によれば洗口剤の効果は最も高かったグルコン酸クロルヘキシジンという結果が出ました。
また、歯周病の原因となるプラークには、歯茎の外に付着しているものと、歯周ポケットの中に付着しているものの二種類がありますが、洗口剤の効果が認められているのは歯茎の外に付着しているプラークに対してです。このことをふまえ、上手に使いましょう。
具体的な使い方ですが、歯磨きとデンタルフロスに加え、洗口剤をプラスする、という位置づけが良いと思います。
そして、忘れてはいけないのが歯科医院での定期的なメンテナンス。歯茎の内側のプラークはセルフケアだけでは取り除けないからです。
なお、洗口剤の選び方ですが皆さんがドラックストアで購入できるのは医療用とは違い、薬剤の濃度が低いので成分による作用の違いはほとんどありません。ボトルタイプやスプレータイプなど形状の違い、香りや味の違いなどによりさまざまな商品がありますので、好みのタイプを選ぶといいかと思います。
『歯医者のギモン40』より